SPI3の問題文を実務との比較の観点から考えてみる
先日友人の会社に来ないかという誘いがあり、条件も悪くなかったので承諾したら、SPI3を受験させられました。
当初SPIは新卒採用時にしか受けさせないものだと思っておりましたので、SPIを受けろと言われたときは「WTF????」と思いました。
私は所謂プロフェッショナルファームと呼ばれる業態で働いて8年目になります。業界のターンオーバーが早いという特性上、転職も3回してますが、SPIを受けろなんて言われたことは初めてですので、大変驚きました。
中途採用向けSPIという商品
ところが落ち着いてリクルートのSPIホームページを見てみると「中途採用向け」という商品があるではありませんか↓
それまでのキャリアや携わってきた案件だけでなく、こういう定量的な試験を受けさせる世界もあるのだなぁと、自分の視野の狭さを深く反省した次第です。
社会人になってから解くととても難しい
さて、キャリアを積んだ社会人にとって、SPIはどういう難易度になるのでしょうか?
正直私は新卒就職活動をしてるときはSPIは大得意でした。難易度の高いとされる会社を受けるときは大体受けさせられましたが、落ちたことはありません。
簡単すぎて足切りにもならないでしょ、と、心の底から思ったものです。
ところが、実際に今受けてみると、これがびっくりするほど難しいんですよね、、、
ネットに落ちてるサンプル問題を解いてみたところ全然解けなかったので、焦って問題集を買って仕事終わりに2日ほど勉強してみたのですが、全く解けるようになりませんでした。
実務ではSPIとかで測られる能力網羅的に使うわけないから、転職で受ける必要が生じたらちゃんと勉強した方が良いです。。。https://t.co/YCBFI5fjZd
— Mukebeja (@Mukebeja) 2018年6月23日
特に非言語分野(算数)は時間が足りないし、そもそも解き方とか検討もつかない状況。一方で言語分野(国語)の方は特段問題なくスラスラ解け時間もかなり余りました。
テストの結果は惨憺たるもので、これは落とされてもしょうがないな、という諦めと同時に無駄なことさせやがってという怒りがフツフツと沸いてくるものですね。
非言語分野の瞬発力って実務で使わなくね?
それはさておき、言語分野と非言語分野の対照的な出来というのは個人的にとても興味深い結果でした。
当然ながらヒトの脳というのは加齢とともに能力が劣化する様に出来ておりますが、普段から使っている能力というのは劣化速度は遅くなる、あるいは向上すらするものだと考えております。
係る視座からテスト結果を解釈すると、今回の私のテスト結果は「言語分野は実務で鍛えられるものの、非言語分野はあまり鍛えられていない」という事が示唆されます。
ただ、今の仕事では専ら財務分析を行っているので、数字はかなり良く使うはずなんですよね。数値を並べてそこの数値が表す事象はどういうものなのか、という事をレポートになるだけ分かり易く纏めてお客さんに出す、という仕事をひたすら繰り返しております。
なぜSPIの問題が解けなかったのか考えてみたところ、主な理由は以下の2つなのではないかと思います。
①問題文の構成は、実務で触れる文章や資料と比較すると超分かりにくい
問題文というのは、回答者に頭を使わせるという性質を持つため、表現は回りくどく、そして情報は網羅的に整理されておりません。一方で、お客さんに出すレポートというのは分かり易くないと意味がありません。入社したての新入りには「サルが読んでも分かるように書け」、と何度も指導します。お客さんに文章を読ませるときに頭を使わせると、レポートを作成する側としては負けなのです。
なので、SPIの問題のような不完全な文章を作るというのは強烈にNGな行為で、そのような文章を作る側も、また資料として出されて許容する側もバカだと思われます。
斯様に、文章の性質が正反対のものを日常的に取り扱っているため、問題を解くどころか書いてる内容が頭に入ってこないという現象が起こります。
②実務では1分1秒を争って計算しない
問題を解く上では、問題文に散らばってる情報から回答を得るために必要な材料を何個か計算する必要があります。制限時間内に。
もちろん財務分析の実務では同じ様に基礎となる数値を色々とこねくり回して分析を行います。ただし、その後の分析の出発点となる大事な出発点となることから、数値は相当に慎重に計算します。スプレッドシートに諸前提を丁寧に並べて第三者が簡単に内容をレビューできるように正確さを重視します。間違ってたら分析結果が崩れますからね。
数値に責任を持つという意味でも、間違っても紙に走り書きした、あるいは暗算して出した数値なんか使いません。ミスのもとです。そんなことやってるやつがいたら速攻でチームから追放です。
以上2点より、SPIで測られる非言語分野の瞬発力は実務ではぶっちゃけ使わないんじゃないだろうか、という結論に至りました。
まあ確率の問題とか組み合わせとか中学校や高校で習う範囲の生活に役立つ数学知識は問われるので、その点については良いかもしれませんね。
とはいえ、条件の良いオファーを試験で落ちるとかつまらないので、準備は侮らずにしっかりとやった方が身のためですね。
それではまた。