暗号通貨と他のアセットクラスのコリレーション:とりあえずビットコ買っとこ
前回に引き続きブルームバーグの暗号通貨の記事で大変面白いものを見つけました。一カ月前のものですが、内容がとても良いのでそちらのご紹介をします。
暗号通貨を他のアセットクラスと比較してみた、という記事です。
記事の内容としては、暗号通貨はやっぱりハイボラティリティなアセットですねぇ、市場規模(取引量・時価総額)も株式と比べて特定銘柄に偏ってますねぇ、と、どこかで聞いたような内容が続きますが、「How Assets Affect Each Other」の項目は注目に値すると感じた次第です。
この項目には暗号通貨・法定通貨・コモディティ・株式・債券の5つのアセットクラスのコリレーションヒートマップが掲載されています。
こんな感じのマップです↓
上のヒートマップでは、軸の一つの目盛りが個別のアセット(BTCとか円とか金とか国債とか)を表しており、縦軸のアセットと横軸のアセットの交点がそれぞれのアセット同士(BTCとDow Jonesとか)のコリレーションを表してます。(青が濃ければ相関係数が1に近く、赤が濃ければ-1に近いという作り)
リンク先だとカーソルを合わせるとグリグリ動くのでとてもinformativeな作りになってますので、是非試してみてください!
全体的に株式などのレガシーアセット(記事中ではestablished asset classesと書いていますが)との計量的な比較がちゃんとなされているところがさすがブルームバーグといった感想ですね。
このヒートマップを見ると、暗号通貨は他のアセットとの相関がやはり低そうである、という事が直感的に見て取れますね。(とはいえ色の差なので気のせいだ!と言われるとそんな気もしてくるので、やっぱりバックデータで数値の比較はしてみたいですが)
このコリレーションの特徴については、Market Hackの広瀬隆雄氏が以前こちらのVoicyで指摘されておりますが、他のアセットクラス(株式・債券・ゴールド等)とのコリレーションが低いということは、分散が効いたポートフォリオの構築に非常に良い材料であり、機関投資家にとって極めて魅力的な存在であるということです。
詳しくはこちら↓
ブルームバーグの記事中では、上述のコリレーションの特徴は機関投資が増えるにつれ、変わる可能性があるとの指摘を行っております。
まあ、これはこれでもっともな指摘ではあるものの、そのような変化が生じるにはまず機関投資家の運用資産が一定以上の規模で流入することが前提な訳です。
PwCの調査によると、2016年のAWM(Asset Wealth Management:ヘッジファンド等は除く)業界の運用資産高は84.9兆ドルに対して、暗号通貨の時価総額は本日時点で0.28兆ドルとなっており、数値上の比較では未だ0.3%程度です。
運用資産高の1%でも8,500億ドルとなり、暗号通貨全体の時価総額の約4倍の金額となります。また、既に暗号通貨市場に少しずつプレゼンスを出し始めているヘッジファンドの同時点における業界規模は約3.3兆ドル(機関投資家運用資産高の1/25)ですので、機関投資家の規模は文字通り桁違いのスケールとなります。
機関投資家にとって投資適格アセットとみなされるにはまだまだ市場は未整備であるとはいえ、機関投資家の市場参入のインパクトは未曾有のものであるということです。(運用資産高は市場が整備されつつある今この時点でも年6%くらいで成長しているこも忘れずに)こうして数値を並べるだけでも、来るべき日に備え、コツコツとポジションを積み上げる価値は十分にあるのかと改めて感じます。
まあ、現物投資だけでこんだけアップサイドが見えるんだったらやらない手はないですよね。とりあえずビットコ買っとけってことです。どっちみちダウンサイドはレバかけなければ限定的なんだし。
それではまた。