Bloomberg Misery Index 2018(経済不快指数2018)
少し前の記事でしたが、今日ブルームバーグのツイッターで流れて来た2018年度のMisery Indexの記事が興味深かったのでご紹介します。
Misery Index(日本語では経済不快指数)とはインフレ率に失業率を加味した指数の事です。
失業者が多く経済が停滞する一方でインフレが生じるというのはスタグフレーションそのものですね。本記事はブルームバーグが行った2018年の調査に関してです。
圧倒的に首位を独走しているのはMisery valueが1,872のベネゼエラで、2位の南アフリカ(33.1)と比べなんと57倍!という結果になってます。
失業率はどう頑張っても100%以上は行かないのでハイパーインフレーションによる独走ということになります。
しかし1,800%超というインフレ率はとてつもない数値ですね。物価が1年間で18倍になるなんてまともな経済活動は維持できません。
そりゃ暗号通貨にもリアルに需要が出ますし、殺人件数だって跳ね上がりますよねって話です。(そういえばPetroっていう暗号通貨のICOやってましたね。。。)
これもまたブルームバーグの調査なのですが、彼らはベネズエラにおいてCAFÉ CON LECHE INDEXというパンチの効いた調査を行っております(ベネズエラではインフレ率を公開していないので、それなら自分たちで指数を作りますわ、という趣旨で行ってる模様):
この指数はCAFÉ CON LECHE(カフェオレのことです)の価格推移をリアルタイムで追ってるものですが、直近12カ月の指数は23,813%となっておりますね。
いやー半端ない、1年間で238倍ですか、、、、
こういうハイパーインフレ―ション下での経済活動はどう回っているのか、とても興味深いところではありますが、治安も悪いし地球の裏側だしということで、直接現地に見に行きたくはないですね。
日本においていずれ来る日のためにも、ベネズエラでの状況が落ち着いて内容の濃いハイパーインフレ関連の調査報告などが出てきたら、熟読玩味してイメトレしておきたいと思いました。
さて、Misery Indexの最下位の方(この評価軸で言うと経済が一番安定しているということですね)を見るとタイ(Misery value は2.5)が下から数えて1位、次いでシンガポール(3.2)、日本(3.6)という結果ですね。
日本は低インフレ・低失業率なので相当に上位に来るとは思ってましたが、タイとシンガポールがさらに上位というのは想定外でした。
タイって失業率そんなに低いのかな??とか思ったりもしますが、、
また、記事にも書いてますが失業率が低いことは一概に良いとは言えないですよね。経済の空き枠が無く雇用が硬直しているということでもありますし。
その意味でイケイケ経済のイメージが強かったシンガポールの低い失業率(2018年は2.1%と日本よりも低い)もとても意外でした。
なんともとりとめのない内容となってしまいましたが、こういう指数は大局を見るにはまあ便利ではありますね。どういう地域が不安定なのか、逆に安定・硬直しているのか、というのが直感的に把握できるという意味ではとても便利だと思います。
分散投資をする先を見る上でも、こういうマクロな指標を見て対象先を絞る入り口には使えるのではないでしょうか。
それではまた。